野菜のアク抜きは面倒!だと思うことはありませんか?「アク抜きをしないとダメだとわかっているけど、やり方がわからない」「アク抜きをしないとどうなるの?」など、野菜のアク抜きについては疑問が尽きませんよね。
野菜のアク抜きとは
アク抜きとはなぜ必要なのでしょうか?ここではアクの正体、アク抜きが必要な理由を解説します!
そもそもアクの正体って?
アクとは、食べ物に含まれる不快な味覚、色、臭いを感じさせる作用を持つ成分のことです。元々は「灰汁」と書き、木やわらなどの灰を水に浸した時、そこから掬いとったうわずみの液のことを指しました。
現在は、体に悪い成分や味の良さを邪魔する成分をアクと呼びます。
野菜から出るアクは植物性で、肉から出る動物性のアクとは異なった成分を持っています。これらのアクを取り除く作業は「アク抜き」と呼ばれ、料理の下処理に欠かせない作業です。
アク抜きをしないとどうなる?
食べにくくなる
アクが影響する風味には、以下のものがあります。
風味の種類 | アクの成分 | 含まれる野菜 |
エグ味 | ホモゲンチジン酸、シュウ酸など | 葉物野菜(ほうれん草など) |
渋味 | アルカロイド、塩類など | 蕗(ふき)、くわいなど |
苦味 | タンニンなど | ナス、レンコンなど |
アク抜きをしなければ、美味しく調理するために味付けをしても、アク抜きをしなければこれらの風味が邪魔して、不快な味を感じさせてしまいます。
身体に有害な成分を摂取してしまう
アクの成分の中には、消化吸収に悪影響があるものも存在します。
きちんとアク抜きをしていないと、これらの成分が残ったままになります。消化や吸収が上手くいかなければ、消化不良など体に不調をきたすこともあるのです。
アク抜きが必要な野菜の種類
ここからは、アク抜きが必要な野菜について説明します。
アク抜きが必要な野菜①たけのこ
たけのこは、スーパーなどで購入した後すぐにアク抜きが必要な野菜です。かなりアクが強いので、アク抜きをしなければ食べられません。
アク抜きが必要な野菜②ほうれん草
ほうれん草には、エグ味の元となるシュウ酸という成分が含まれています。アク抜きをしないまま食べてしまうと、尿路結石になってしまうこともあります。
これは、シュウ酸が体内にあるカルシウムと結合することで引き起こされる現象です。
アク抜きが必要な野菜③こんにゃく
こんにゃくの原料であるこんにゃくイモには、シュウ酸カルシウムが含まれています。ほうれん草と同じく、人体に悪影響を及ぼす可能性のある成分です。
野菜別|アク抜きの手順
それでは、それぞれにどんなやり方でアク抜きをすればいいのか確認しましょう。
たけのこのアク抜き
たけのこのアク抜きには、米ぬかを使用します。
- 根元と先端を切り落とし(5cm程度)、たけのこの身の部分に切り込みを入れます。切り込みは横ではなく、縦に入れましょう。
- 鍋に水を入れ、たけのこを浸して米ぬかを入れます。米ぬかはひと握りほど、水はタケノコ全体が浸るくらいの量です。
- 鍋に入れた水を沸騰させ、40分から1時間ほど茹でます。火力は弱火にして吹きこぼれないように注意してください。沸騰後は落し蓋をします。
- 竹串などが身に通るようになればアク抜きは完了です。
- 米ぬかがない場合には、重曹でも代用可能です。
- 重曹を使う場合には、茹でる時間を短く(30分〜40分程度)してください。
- 重曹の量は、鍋にたっぷりの水に対し、小さじ1杯で充分です。
ほうれん草のアク抜き
ほうれん草のアク抜きには2つの方法があります。
①ほうれん草を茹でる
- 鍋に塩小さじ1杯を加え、ほうれん草の根元を入れます。
- 根元を10秒ほど茹でた後、葉の部分もあわせて1分程度茹でます。
- 茹で終わったほうれん草は、流水で冷やし、水分を切ってアク抜き完了です。
②ほうれん草を加熱する
- ラップに包んだほうれん草を、電子レンジで加熱します。加熱時間は2分です。
- 加熱が終わったらラップをはずし、流水で冷やした後、水分を切って完了です。
こんにゃくのアク抜き
こんにゃくのアク抜きにも2つの方法があります。
①塩もみ・下茹でをする
- 一口大にちぎったこんにゃくをボウルに入れ、塩をまぶします。
- 全体的に塩をもみ込んだら、塩を落とすためにこんにゃくを水で洗います。
- 水を沸騰させた鍋にこんにゃくを入れ、2分〜3分茹でます。火は中火にしましょう。
- 茹で終わったらざるに入れて水気を切り、アク抜き完了です。
②電子レンジで加熱する
- 一口大にしたこんにゃくを皿に入れ、たっぷりの水を加えてラップします。
- 500wの電子レンジで2分ほど加熱します。
- 加熱が終わったらざるに入れ、水気を切って完了です。
アク抜きをしないほうがいいケースもある
アク抜きは野菜の下処理に不可欠ですが、野菜によってはアク抜きをしないほうがいいケースもあります。
ナスやごぼうなどのアクには、ポリフェノールという成分が含まれています。ポリフェノールには動脈硬化の予防、血管を若く保つ効果、紫外線などに対する抗酸化作用など、美容と健康に効果が期待できます。
その他ポリフェノールが含まれる野菜は、ふきなどの山菜やレンコンなどの根菜です。苦味が苦手な方はアク抜きをする必要がありますが、そうでない方はアク抜きをせず、そのままの風味を楽しむことも可能です。
まとめ
野菜のアクには、エグ味や渋味、苦味の元となる成分が含まれています。それらの成分は料理の味を落とすほか、場合によっては体に害を及ぼすものも存在しています。
美味しく、また健康に食事を摂るために、野菜のアク抜きは重要な下処理です。ただし、野菜の種類によってはアク抜きをしないほうがいいケースもあり、野菜のアク抜きは必ずしもやらなければならないというわけではありません。