なにかと便利なテフロンフライパン、実は手入れにはコツが必要だとご存じでしたか?
正しい洗い方や寿命を知っているかどうかで、テフロンフライパンを長く使えるかどうかが変わってくるんです。コーティングが剥がれる原因や基本の洗い方を理解することで、より長く愛用できるでしょう。
テフロンフライパンって?特徴をおさらい
まずはテフロンフライパンについて、基本的な特徴をおさらいしましょう。
テフロンフライパンって?
その名の通り、テフロンフライパンとは「テフロン」という加工がしてあるフライパンのことです。
テフロンとは元々、アメリカのデュポン社が製品化したもので、ポリテトラフルオロエチレンというフッ素樹脂のひとつです。
このフッ素樹脂という物質は、アメリカが第二次世界大戦中に原爆を開発している際、偶然に生まれた物質だとされています。
つまりテフロンというのは素材そのものではなく、フッ素樹脂加工をしたフライパンのことを指すのです。
素材の特徴
テフロンフライパンに使用されているフッ素樹脂には、以下の特徴があります。
①耐熱性
他のプラスチックに比べ、高温で使用しても劣化しない。
②耐寒性
-100℃でも使用できる、高い耐寒性を保つことができる。
③非粘着性
秘粘着性は、またの名を離型性ともいいます。これは、物質を固着しにくい特性のことで、くっついたものをすぐに剥がすことの出来る性質のことです。
④滑り性
テフロンフライパンは滑りやすい素材のため、傷がつきにくく、スムーズに調理ができます。
これは、フッ素樹脂の持つ摩擦係数が関係しており、フッ素樹脂は、あらゆる個体の中でも摩擦係数が最小だと言われているためです。
⑤耐薬品性
強酸、強アルカリに強い性質を持つ耐薬品性。これは薬液や溶剤に触れても不純物を起こしにくいという性質からです。
⑥絶縁性
フッ素樹脂には高い電気絶縁性があります。このことにより、メンテナンスが楽になるというメリットがあります。
➆耐候性
耐候性とは、紫外線など野外からの影響に強い性質のことを指します。フッ素樹脂には、長年野外に置いても劣化しないという特性を持っています。
テフロンフライパンのメリット
食材が焦げ付きにくい
フッ素樹脂の持つ耐熱性、滑り性により、食材が焦げ付きにくいというメリットがあります。また、食材がくっつきにくいのでお手入れも比較的簡単です。
少量の油で済む
フッ素樹脂の持つ滑り性により、通常のフライパンよりも油の量を抑えられるメリットがあります。食費の節約とともに、健康にも配慮できます。
コストパフォーマンスが良い
耐熱性や汚れが落ちやすい点など、テフロンフライパンは普通のフライパンよりも使いやすい点が多く、コストパフォーマンスの良さに繋がります。
テフロンフライパンのデメリット
柔らかい
フッ素樹脂は他の物質よりも成形が難しく、柔らかい材質を持っています。そのため、衝撃に弱いというデメリットがあります。
コーティングが剥がれやすい
テフロンフライパンの特徴として、擦ると剥がれやすいというものがあります。たわしやフライ返しなどで強く擦ってしまうと、すぐにコーティングが剥がれてしまうのです。
価格が高い
テフロンフライパンは、通常のフライパンよりも価格が高いのが特徴です。
価格には差がありますが、13,000円から17,000円程度が相場です。フライパンは消耗品ですので、安く済ませたいという方には価格が高く感じられることがあるかもしれません。
テフロンフライパンが焦げるのはなぜ?
テフロンフライパンの大きなメリットは、「焦げ付きにくい」ということです。にもかかわらず、どうして焦げ付いてしまうことがあるのでしょうか?
コーティングが剥がれれば焦げる
テフロンフライパンのコーティングが剥がれることで、焦げ付きの原因になります。
フライパンの使用後、温度が高い状態で水洗いしてしまったり、空焚きをしてしまうことでコーティングが剝がれてしまいます。
寿命の目安
テフロン加工されたフライパンは、通常のフライパンよりも寿命が短く、およそ1年から3年とされています。これ以上経つとコーティングが剥がれてしまい、アルミ部分が見えてきてしまいます。
こうなってしまうとテフロン加工の意味がなくなってしまいますので、定期的な買い替えが必要です。
【長持ち】テフロンフライパンの基本の洗い方
テフロンフライパンを長持ちさせるためには、基本の洗い方が重要です。
- まずはフライパンに残った油を拭き取ります。この時、火傷には注意しましょう。
- フライパンが熱いまま水洗いをしてしまうと、コーティングが剥がれる原因に。そのため、フライパンが冷めるまで待ちます。
- 中性洗剤とスポンジを使い、優しく洗います。円を描くようにして洗うとよいでしょう。
- 水を切り、しっかりと乾かして終了です。
テフロンフライパンが焦げたときの洗い方
気を付けてお手入れしていても、テフロンフライパンがこげついてしまうこともありますよね。
お湯でふやかす
沈着してしまった油汚れを取り除くことで、テフロン加工を復活させられる方法があります。
ただし、これはフライパンの表面に異常がない時に限りますので先に異常がないかよく確認するようにしましょう。
フライパンに水を入れて沸騰させ、スポンジなどを使い中性洗剤でしっかり洗い流します。
セスキ炭酸ソーダを使う
高い洗浄効果を持つ「セスキ炭酸ソーダ」は、テフロンの焦げ付きを落とすのに効果的です。
一般的に、酸性の汚れには強いアルカリ性の成分を持つ重曹がおすすめですがテフロンフライパンに対しては使用を避けた方がよいでしょう。
なぜなら、重曹には研磨作用があり、それがコーティングの表面に傷を付ける原因となるからです。
テフロン加工を長持ちさせる使い方のコツ
テフロン加工を長持ちさせるには、どんなコツがあるのでしょうか。
調理器具をシリコン製や木製のものにする
金属製の調理器具を使うと、テフロン加工を傷つけやすくなります。そのため、テフロン加工を傷つけにくいシリコン製や木製の器具を使うようにしましょう。
しっかりと洗う
テフロンフライパンを使用後には、しっかりと洗うようにしましょう。フライパンに油分や塩分を残さないようにすることで、コーティングが剥がれるのを防ぎ、長持ちさせることができます。
食器洗い機を使わない
食器洗い機を使用すると、手洗いよりも水の勢いが大きく、テフロンフライパンに負荷がかかってしまいます。また、食器洗い機の専用洗剤も負荷の原因となります。
まとめ
テフロンフライパンを長持ちさせるには、汚れをしっかりと落とす、コーティングに傷をつけないようにする、空焚きをしないといった基本的な手入れが必要不可欠です。
正しい手入れの仕方を知り、丁寧に使うことが長持ちのコツです!